後悔日和

わかりみ

きどりっこ『きどりっこ』(1989)

1980年代後半〜90年代初頭にかけて活動したテクノポップバンドの1stと2ndを2in1にまとめたアルバム。(オリジナルはアナログ盤)


初期メンバーの松前公高(Key)は、のちに『おしりかじり虫』の作曲を担当し、シンセサイザーの入門書を執筆するなど、現在も勢力的な活動を続けている。


トータルとして、とにかく「バブルやな〜」という感じがそこら中に漂っている。

作曲を担当する佐藤隆一(Key)のプログレポップ×童謡的な楽曲群と、ボーカル・作詞を担当する、てんちゆみの変幻自在ではっちゃけ感のあるボーカルスタイル、そして天衣無縫で80年代感溢れる歌詞。これが2018年のいま現在聴いても、なぜか中毒になってしまう。フシギ。


「大胆不敵に 回転ベッド」とか「涼しい顔でずっとゴージャスしようね」とか、現代の感性では逆立ちしても書けないような詞とチープで懐かしいシンセ全開のサウンドから醸し出される雰囲気から、他にはない、きどりっこオンリーワンの世界観が遺憾なく発揮される。


その中に、香辛料的に民話チックでファンタジックな楽曲が織り込まれているものだから油断がならない。


聴く人を選ぶことは間違いない。しかし、その世界に一度ハマったらなかなか抜け出せない。飛び込むか、飛び込まないか、ぜひ一度聴いて判断してもらいたい。


と言いつつも、残念ながら現在廃盤。なぜかAmazonにもユニオンにも扱いがないという謎盤。わたしはメルカリで買いました。

次作『常夏姫』(1991)は中古市場でもめったに見かけない希少盤。しかし、現在はYouTubeでほぼすべての音源が聴取可能。文明ってすごいね。


https://youtu.be/97v2UZEh0z8


あと、キャプテンレコードって宝島社のレーベルなんですね。ゆら帝のインディー盤を出したキャプテントリップとごっちゃになってた。


しかし、佐藤さんとてんさんって今何やってるんでしょうなあ…


おわり。